物流ニュース 6月2010年

30/06/10 タスマニア州での木材燻蒸消毒の中止を要請 − 議会「緑の党」
30/06/10 裁判所からの罰金命令もクイーンズランド鉄道の民営化には影響なし
30/06/10 7月1日から埠頭使用料を値上げ − シドニー港湾公社
23/06/10 港湾で有毒ガス騒ぎ、実は燻蒸消毒 − タスマニア港湾公社
23/06/10 ミスを認め、タツノオトシゴ輸出業者に賠償金 − 豪税関
23/06/10 生体牛の鉄道輸送費が12%値上げ − クイーンズランド州
23/06/10 クイーンズランド州で大型石炭輸送契約を獲得 − アシアノ社
16/06/10 シャンプーと覚せい剤とを間違えて旅客を3日間拘束 − 豪税関
16/06/10 オーストラリアとパプア・ニューギニア間の貨物輸送能力が増える
16/06/10 4月の欧州から豪州へのコンテナ量は今年4ヶ月間連続で前年を上回る
16/06/10 2日に1回などの郵便宅配業務の変更を検討 − NZポスト
16/06/10 アデレード/ダーウィン間の鉄道事業を米国企業が買収
09/06/10 アメリカからのチェリーの輸入条件が変更 − 豪検疫検査局
09/06/10 カンタス航空の貨物エクスプレス子会社を買収−トール・グループ
09/06/10 経費削減で昨年度の利益が2.5%増加 − NZメインフレイト社
09/06/10 4月のコンテナ取り扱い量が前年同月比10.7%増 − シドニー港
09/06/10 豪税関のミスで米国が豪州からのタツノオトシゴ326匹を輸入拒否
02/06/10 カエル2匹が海外から侵入して大騒ぎ − ケアンズ港
02/06/10 7月から岸壁使用料を値上げ − メルボルン港湾公社
02/06/10 メキシコから英国経由のコカインの密輸で5人を逮捕−豪連邦警察
02/06/10 貨物運賃カルテルでカンタス航空に罰金 − 韓国公取委

                                                              

06月30日2010年 タスマニア州での木材燻蒸消毒の中止を要請 − 議会「緑の党」

  タスマニア港湾公社は、タスマニア州のBell Bay港とBurnie港の2つの港で有毒ガスを使用して木材の燻蒸消毒を行なう計画を正当化している。 
  緑の党(Australian Greens)は議会で、有毒の臭化メチルガスがBell Bay港の反対方向に流れ、周辺住民に影響が及ぶと懸念を示した。 同公社の広報担当は、「木材はこの2つの港で船に搭載され、通常船積みの最後の港となるBurnie港で燻蒸消毒が行なわれる」としている。 
  臭化メチルガスは人間や動物に対して非常に有害であるが、同公社は「大気中では一瞬にして消滅してしまい、人体に危険を及ぼすことはない。 オーストラリアのバッファー・ゾーンの基準は3メートルであるが、我々はもっと広く設定している」と話した。
  緑の党のキム・ブース議員は、タスマニア州政府の首相に対して燻蒸処理の中止を求め、「あなたは、この林業界の行為をまったくの無責任で、周辺住民の健康を脅かすことだと認めますか?」と質問した。 これに対してブライアン・グリーン資源相は、「臭化メチルガスはニューサウスウェールズ州のEdenの港でも日常的に使われている。 臭化メチルガスの使用については、決めれた換気管理の下で使用するとの厳しい安全ガイドラインが設けれている」と反論した。 (Source: ABC, 23/06/10 "Toxic fumigation defended") 

06月30日2010年 裁判所からの罰金命令もクイーンズランド鉄道の民営化には影響なし

  クイーンズランド州政府のアナ・ブライ首相は、「クイーンズランド鉄道(QR)が連邦裁判所から66万ドルの罰金を科されているが、クイーンズランド鉄道の石炭鉄道ネットワークには影響はない」と語った。 
  クイーンズランド鉄道は、資産の売却について従業員と協議するとした協定に違反したとして、5つの労働組合に対して罰金の支払いを命じられた。 ブライ首相は、「今回で重要なことは、クイーンズランド鉄道は法的な権利を行使して、判決に異議を申し立てていることである。 労働組合や従業員には広域的な協議をしている証拠を提出しているので、裁判所は異議の申し立てを考慮しなければならない。 今の段階ではこれ以上の情報を申し上げることは出来ない」と話した。 (Source: ABC, 23/06/10 "Government vows QR fine won't affect privatisation plans")

06月30日2010年 7月1日から埠頭使用料を値上げ − シドニー港湾公社
  シドニー港湾公社は、先週発表した料金体系の変更の一環として、7月1日から埠頭使用料を10豪ドル(消費税別)値上げする。 これにより、輸入コンテナ(teu)の埠頭使用料が98.23豪ドルとなり、輸出コンテナ(teu)は60.24豪ドルとなる。 
  同公社のグラント・ギルフィランCEOは、「今回の値上げは、作業管理やトラック作業場のインフラを支援するIT設備を充実するなどの業務改善計画の原資として使われる」と話した。 
  また埠頭使用料以外でも、港のパイロット料金が昨年の物価上昇率と同じく2.18%引き上げられる。 パイロット料金の最低料金は今年4月に引き上げられたばかりで、これで4,000トン以下の船舶のパイロット料金は650豪ドルから800豪ドル(25豪ドルの燃油サーチャージは別)となる。 (Source: Sydney Ports, 25/06/10 "Amendments to Sydney Ports charges")
06月23日2010年 港湾で有毒ガス騒ぎ、実は燻蒸消毒 − タスマニア港湾公社
  タスマニア州の港湾当局は、「今日Bell Bay.で発生した有毒ガスは木材の燻蒸消毒の一環である」として人々に安心するように説明した。 
  タスマニア港湾公社のデービット・フィリップ最高執行責任者(COO)は、「木材への燻蒸消毒は検疫検査局から義務付けられており、使用した臭化メチルガスはオーストラリアの港で広く使われているものである。 そしてタスマニア港湾公社は連邦政府から臭化メチルガスの使用許可を得ている。 臭化メチルガスは船倉にある木材の燻蒸消毒の為に船内にポンプで注入される。 このガスは人間や動物が吸い込んだり、皮膚から体内に入ると有害であるが、大気中では一瞬にして消滅してしまい、人体に危険を及ぼすことはない」と話した。 (Source: ABC, 23/06/10 "Port says public safe from toxic gas")
06月23日2010年 ミスを認め、タツノオトシゴ輸出業者に賠償金 − 豪税関

  タスマニア州北部のSeahorse Australia社が、オーストラリア税関のミスによって発生した損害額4,500ドルの賠償金を受けることになった。 
  オーストラリア税関は、書類上のミスによってアメリカ向けの326匹のタツノオトシゴが押収されたことの責任を認めた。 Seahorse Australia社のオーナーのロチェル・ホウキンス氏は、「今朝、オーストラリア税関からの手紙を受け取って大変安心した。 この手紙を届くのを心配して待っていた。 しかし、オーストラリア税関が賠償に応じたことに感謝をしている」と話した。 (Source: ABC, 21/06/10 "Customs coughs up seahorse bungle costs")

06月23日2010年 生体牛の鉄道輸送費が12%値上げ − クイーンズランド州

  クイーンズランド州で、牛をマーケットや処理施設まで輸送する費用が値上がりすることになった。 
  6月21日から、クイーンズランド鉄道(QR )は生体牛の輸送費を12%値上げする。 家畜輸送業者、牧畜業者、その他の関連産業グループは今回の値上げに憤慨し、「トラックでの輸送を増やす」としている。 
  同州Cloncurryの家畜仲介業者のピーター・ドウリング氏は、「輸送費が12%値上がりすると聞いて失望している。 クイーンズランド州北西部からだけでも週2,000頭以上の牛が鉄道で輸送されている。 鉄道会社が貨物運賃を引き続き値上げすることによって、我々が鉄道輸送を利用することが困難になってきていることは明らかである。 このような状態が続くと、最終的には牧畜業者が、『もう、牛を出荷できない、オーダーをキャンセルする』と言い出しかねない」と非難した。 鉄道・路面電車・バス労働組合のレス・モフィット氏は、「家畜を貨車へ積み込むセンターでの雇用が無くなる」と懸念している。 
  一方、クイーンズランド鉄道は声明で、「我々はクイーンズランド州において、家畜輸送を今後とも続けていくことを約束する。 現在の我々の家畜輸送部門は年間2,000万ドルの赤字を出しており、今後とも家畜の輸送を続けていく努力をしていく」と発表した。 (Source: ABC, 16/06/10 "Cattle train costs rise 12 per cent") 

06月23日2010年 クイーンズランド州で大型石炭輸送契約を獲得 − アシアノ社
06月16日2010年 シャンプーと覚せい剤とを間違えて旅客を3日間拘束 − 豪税関
06月16日2010年 オーストラリアとパプア・ニューギニア間の貨物輸送能力が増える
  新しい航空協定の交渉により、オーストラリアとパプア・ニューギニアとの間の航空機の運航回数が増え、貿易も増えるが、競争も激化することになる。 
  新しい航空協定により、今日から両国間の貨物輸送能力が30%増え、旅客の輸送能力も10%増加する。 両国の航空会社は、双方ともに週3,520席の旅客席を提供でき、貨物は週130トンに輸送能力が増加した。 (Source: T & L News, 03/06/10 "More people and cargo on Australia-Papua New Guinea air routes")
06月16日2010年 4月の欧州から豪州へのコンテナ量は今年4ヶ月間連続で前年を上回る
  ヨーロッパからオーストラリア/オセアニア地域に輸出されたコンテナ貨物は、今年に入って4ヶ月間連続で前年を上回っており、世界的な景気低迷から回復しつつある。 しかし、オーストラリア/オセアニア地域からヨーロッパ向けは、4ヶ月間連続で前年を下回っている。 
  欧州定期船事務組合(ELAA : European Liner Affairs Association )が発表した4月のヨーロッパからオーストラリア/オセアニア地域へのコンテナ貨物は2万8,600個(teu)で、前年同月の2万6,464個(teu)より8%増えたが、2008年4月の3万7,658個(teu)と比べればまだ差がある。 しかし、1月から3月までの第1四半期の合計は、前年同期より11.4%増加している。 
  一方、オーストラリア/オセアニア地域からヨーロッパ向けのノースバウンドは、今年の4月は16,700個(teu)で、前年同月の20,502個(teu)から18.4%減少し、2008年4月の23,316個(teu)からも大幅に少なくなっている。 第1四半期の合計も、前年同期より15.7%減少している。 (Source: European Liner Affairs Association, 06/05/2010, "Main Trade Routes, Australia & Oceania")
06月16日2010年 2日に1回などの郵便宅配業務の変更を検討 − NZポスト

  ニュージーランド・ポストは、経費削減のために郵便宅配業務の縮小を検討している。 
  政府が保有するニュージーランド・ポストのジム・ボルガー会長は、ニュージーランドの人々にこの変更に備えることを伝えている。 各家庭への土曜日の朝の配達は見直しされ、平日は2日に1回の配達にすることを検討している。 また検討の中には、各人が郵便物を郵便局へ取りに行くことも案として入っている。 電子メールの普及により、ニュージーランドへの手紙が年間3,000万通減少していると見られている。 
  一方、郵便職員の労働組合は、今回の郵便物の配達の変更計画に対して失望感を表している。 (Source: ABC, 09/06/10 "NZ considers halving mail deliveries")

06月16日2010年 アデレード/ダーウィン間の鉄道事業を米国企業が買収
  FreightLink社の管財人は、「アデレードとダーウィン間の鉄道事業をアメリカに拠点を置く輸送会社に売却した」と発表した。 
  FreightLink社は2008年に任意管理(Voluntary Administration)に入り、今まで鉄道事業の売却を数回試みたが失敗に終わっていた。 管財人のKorda Menthaは、「売却先はアメリカ、カナダ、オランダ、オーストラリアで貨物鉄道事業を行なっているGenesee and Wyoming社で、売却額は3億3,400万ドルである。 最終的な売却は、政府の許可を条件として約3ヶ月間かかる」と語った。 
  FreightLink社は、南オーストラリア州のアデレードと北部準州のダーウィンの間を、1週間に6日の貨物鉄道のサービスを行なっており、年間380万トンの貨物を輸送している。 Genesee and Wyoming社は数年前、オーストラリア国鉄(AN:Australia National Railway)から南オーストラリア州の貨物鉄道事業を買収している。 
  FreightLink社の鉄道路線は、グレート・サザン・レールウェイ社が運航する旅客列車ザ・ガン(オーストラリア大陸縦断鉄道)も使用している。 (Source: ABC, 09/06/10 "Adelaide-Darwin railway sold to US company")
06月09日2010年 アメリカからのチェリーの輸入条件が変更 − 豪検疫検査局

  アメリカからの食用の生のチェリーの輸入条件が2010年5月18日から変更になった。 
  この変更は、アメリカでの収穫前の果物に大きな被害を与えるオウトウショウジョウバエ(Drosophila suzukii)の感染拡大を受けたものである。 新しい輸入条件は、オーストラリアに輸出されるすべてのチェリーはアメリカにおいて、燻蒸後と船積み前に米国農務省動植物検疫局(USDA/APHIS)による拡大鏡を使った検査が義務付けられる。 
  アメリカからオーストラリアに輸入されるすべてのチェリーには、次の文言が記載された植物検疫証明書(Phytosanitary Certificate)が添付されなければならない。 

“The consignment has been inspected post-fumigation using 20× magnification of a 600 fruit sample, with any fruit showing signs of infestation being cut and found free of all live stages of Drosophila suzukii.”

(Source: AQIS, Public Quarantine Alert  PQA0665, "Amended import conditions for fresh cherries from the United States of America")

06月09日2010年 カンタス航空の貨物エクスプレス子会社を買収−トール・グループ
  オーストラリア企業でメルボルンに本社があるトール・グループは、カンタス航空の子会社のAsia Pacific express air freight business (DPEX)を買収したと発表した。 買収価格は公表していない。 
  トールのポール・リトル社長は、「DPEXの買収は当社のアジア地域における事業拡大の助けとなり、Toll Global Express (TGX)部門の成長戦略の一環となる。 TGXのアジア・太平洋地区での業務はDeltec, Skynet, Kwikmailも含まれている。 そして、今回のDPEXの買収によって、それらにアジア19ヶ国のネットワークが加わることになり、年間の売り上げが3,000万豪ドル増えることになる」と話した。 (Source: Aircargo Asia Pacific, 07/06/10 "Toll buys Qantas freight arm")
06月09日2010年 経費削減で昨年度の利益が2.5%増加 − NZメインフレイト社
  ニュージーランドに本社がある運輸大手メインフレイト社は、困難な経営環境にもかかわらず、経費削減により昨年度の利益が2.5%増加した。 
  メインフレイト・グループの昨年度の決算(2010年3月期)で、税引き後の余剰金を3,637万NZドルと計上し、前年度より2.5%増加した。 しかし、売り上げが前年度の12.6億ドルから10.5%減って11.31億ドルとなり、EBITDA(税引き前利益に支払い利息と減価償却費を加算したもの)も6.7%減って7,585万ドルとなった。 
  世界的な景気後退に対処するために、同社は経費を見直し、利益率を上げ、営業を強化してマーケットシェアを積極的に上げた。 また、引き続き中国、ニュージーランド、オーストラリアで新しい支店を開設し、新しい地域での存在感を増やしていく。 (Source: T&L News, "There's still money in transport: Mainfreight reports increased profit")
06月09日2010年 4月のコンテナ取り扱い量が前年同月比10.7%増 − シドニー港
  シドニー港は4月に15万3,400個のコンテナ(TEU)を取り扱い、7ヶ月間連続で取扱量の記録を更新している。 
  ニューサウスウェールズ州政府のポール・マクリー港湾・水路相は、「15万3,400個というのは前年同月と比べて10.7%増えている。 昨年7月から今年4月までの今年度のコンテナ取り扱い量の累計は160万3,000個(TEU)となり、前年同期比5.4%増となっている。 4月の輸出コンテナ量は豪ドル高の影響により前年同月比4.6%減となったが、穀物輸出が9.6%、古紙輸出が7.3%、綿花輸出が259.2%増えている。 一方、輸入コンテナは前年同月比13.4%増の7万7,600個(TEU)となった。 増加した主な輸入品目は、機械・運輸器機が14.2%増、紙製品が36.2%増、テキスタイル・ファブリックが14.6%増、その他の製品(家庭用品など)が12.1%増となっている。 輸入コンテナの47%が東アジアから、15%が東南アジアから、15%がヨーロッパから到着しており、これらの地域だけで全体の77%を占めている」と話した。 (Source: T&L News, 03/06/10 "Container trade continues to break records at Port Botany") 
06月09日2010年 豪税関のミスで米国が豪州からのタツノオトシゴ326匹を輸入拒否

  オーストラリア関税・国境警備局のマイケル・カーモディ局長は上院予算委員会(Senate Estimates Committee)で、最近オーストラリアから輸出されたタツノオトシゴ326匹がアメリカ合衆国魚類野生生物局(United States Fish and Wildlife Service)によって輸入拒否されたのは、オーストラリアで正しい手続きが行なわれていなかったと説明した。 カーモディ局長は、「今回の件についての状況の説明や解決については、輸出業者と直接話をする」と話した。 
  タスマニア州のSeahorse Australia社は、今年5月14日にローンセストン(Launceston)にある関税・国境警備局の事務所を訪れ、アメリカへ326匹のタツノオトシゴを輸出するために環境・水資源・国家遺産・芸術省(Department of Environment, Water,. Heritage and the Arts: DEWHA)の許可書を提出した。 アメリカへの輸出に際して、ワシントン条約(CITES)の承認を受けるには、アメリカ側はオーストラリア関税・国境警備局によるスタンプの捺印、署名、DEWHAの許可書に書かれている輸出される総数量の記載を求めている。 そして記載されている総数量は、輸出申告書と一致しなければならない。 関税・国境警備局の職員は、輸出申告書の数量とDEWHAの許可書の数量が同じであることを確認し、許可書に”許可”と書き、日付の記載、署名、スタンプの捺印をし、さらなる署名のために別の職員に渡した。 
  5月17日、Seahorse Australia社は関税・国境警備局に、輸出したタツノオトシゴが、関税・国境警備局が発行した許可書に数量が記載されていないことで、アメリカ側が輸入を拒否したことを連絡した。 すぐに関税・国境警備局がアメリカ側に連絡し、この件を説明したが、輸入拒否の判断は変わらなかった。 (Source: Customs and Border Protection Service, 25/05/10, "Seahorse export stopped in United States "

06月02日2010年 カエル2匹が海外から侵入して大騒ぎ − ケアンズ港

  クイーンズランド州北部の港で、2匹の嫌われ者のヒッチハイカーがオーストラリアへの入国を阻止された。 
  ケアンズとウェスト・パプアのアママパレ(Amamapare)を定期的に運航する貨物船”テレトリー・トレーダー号”に便乗してケアンズの港に着いた2匹の小さなヘリグロヒキガエル(縁黒蟇蛙、Black Spined Toad、Bufo melanostictus)が目撃された。 
  港湾荷役業者Northern Stevedoring Services (NSS)社の従業員2人と、連絡を受けて駆けつけたオーストラリア検疫検査局(AQIS)の職員が、陸上をうろついているこの2匹のカエルを捕獲した。 
  ヘリグロヒキガエルはインド、中国、アジア南部に生息するカエルで、現在オーストラリアで問題となっている有害なオオヒキガエル(Cane Toad)と近い種である。 オオヒキガエルと比べて、低い気温でも生きることができ、オーストラリアのバイオセキュリティーにとってより大きな脅威となる。 ヘリグロヒキガエルがオーストラリアで繁殖すると、国内のカエルとエサの獲り合いとなりオーストラリアの生態系に大きな影響を与える。 
  AQISは予防策として、ケアンズに到着するすべてのコンテナをカエルを検査する特別な場所に移し、目視検査して洗浄する。 空のコンテナも内部を検査し洗浄する。 また、ケアンズ港周辺に設置しているカエル捕獲器を定期的に調べている。 (Source: DAFF10/005D, 26/005/10 "Nasty toad invaders halted at Cairns port)

06月02日2010年 7月から岸壁使用料を値上げ − メルボルン港湾公社
  メルボルン港湾公社(PoMC:Port of Melbourne Corporation ) は、現在保有しているインフラと新しいインフラに対するプロジェクト資金とするために7月1日より岸壁使用料(wharfage fees)を5.5%値上げする。 
  20フィートのコンテナーを載せる費用が2ドル(5.5%)上がって$38.40+GST(消費税)になり、空のコンテナの場合は40セント(4.3%)上がって$9.60+GST(消費税)となる。 港湾水路浚渫費用を回収するためのインフラ課徴金infrastructure levy)も80セント(2.5%)上がって$33.10+GST(消費税)となる。 
  同公社のスティーブン・ブラッドフォードCEOは、「新しい料金体系は、貿易量が世界的な経済危機から回復状態にある中で必要な措置である。 昨年、ほとんどの港湾料金の値上げは、多くの顧客が景気低迷に見舞われたことで、消費者物価指数のレベルに留めた。 適正な安全基準、保安、持続可能性、効率化のためのインフラやサービスの費用が今回の新料金に反映されている」と話した。 (Source: Port of Melbourne Corporation, Media releases - 2010,"Port tariffs revised to fund infrastructure - May 2010")
06月02日2010年 メキシコから英国経由のコカインの密輸で5人を逮捕−豪連邦警察

  英国の警察が粉末状の木の実が入った缶に隠したコカインの密輸入を阻止したあと、オーストラリアに時価1,150万ドル相当のコカインを密輸入しようとした男4人と女1人が逮捕された。 
  シドニー南西部在住のJames Allotey容疑者(41才)、アメリカ国籍のMauricio Kreimerman容疑者(30才)、Melissa Peron容疑者(25才)、Mario Colokuris容疑者(47才)、Christian Pelaez容疑者(25才)が、メキシコ、英国、オーストラリアにまたがるコカインの密輸容疑で逮捕された。 
  オーストラリア連邦警察(AFP)は、「今月初めメキシコからロンドンに到着した33キロのコカインが入った2個の航空貨物の宛先が、シドニーの会社宛てになっていた」と話した。英国の警察はこの航空貨物からコカインを押収し、別の物にすり替えた。 
  そして、オーストラリア到着後、Allotey容疑者がこの航空貨物を引き取りシドニー西部の保管先に移した。 その後、Colokuris容疑者がロサンゼルスからシドニーに到着し、Allotey容疑者とともにこの航空貨物を滞在している市内のホテルに持って行き、中身を開けた。 そして、連邦警察は翌日、この件に係わった容疑者5人を逮捕した。 (Source: AAP, 29/05/10 "Five held over $11.5m cocaine haul")

06月02日2010年 貨物運賃カルテルでカンタス航空に罰金 − 韓国公取委

  カンタス航空はほかの航空会社とともに、航空貨物運賃の不正操作に関して、第4番目となる国から罰金を科された。 
  韓国の公正取引委員会はカンタス航空に対して、「ほかの航空会社との共謀に参加した」として、1億3,100万ウォン(12万7,271豪ドル)の罰金の支払いを命じた。 同委員会は、燃油サーチャージの不正操作で、英国航空や日本航空など19社に総額1,200億ウォンの罰金を科している。 英国航空は9億5,000万ウォンの罰金の支払いを命ぜられている。 
  カンタス航空の広報担当は、韓国の公正取引委員会と話をしていることは認めたが、「罰金については正式な連絡はない。 もしそうなれば、我々は韓国マーケットでは大きなシェアを占めておらず、罰金もそんなに多くはならないのではないか」と話した。 カンタス航空は最新の年次報告書で、世界的な航空貨物運賃カルテルによる集団訴訟や調査費用として3,000万ドルを経費として計上している。 
  同社は2008年末に、オーストラリア自由競争・消費者委員会から、カルテルの罰金としてはオーストラリア史上で過去2番目の金額となる2,000万ドルの罰金を科されている。 またその前年には、アメリカで6,100万USドル(7,300万豪ドル)の罰金を支払っている。 (Source: SMH, 28/05/10 "Qantas cops penalty in Korea, too")